2011年7月18日月曜日

特捜神話の終焉

元検事の郷原信郎氏と元被告人である堀江貴文・細野祐二・佐藤優各氏との対談。
各氏のケースを通じて検察の問題を浮き彫りにしている。
指摘されている問題点はさんざん目にしてきたものだったのでそれほど目新しさはなかったが、細野氏の対談で出てきた小沢一郎氏の政治資金報告書のところが面白かった。細野氏は、政治資金報告書が単式簿記であることに触れた上で、以下のように説明している。
・2004年に小沢氏から石川氏に現金で渡った4億円は、返済期間も金利も設定されていなかったのであるから、仮受金として処理すべき。借入金は政治資金報告書の記載項目ではないため書かなくて良い。 
・世田谷の土地購入後、陸山会は別の政治団体から資金を集め、4億円の定期預金を積む。小沢氏はこの定期預金を担保に4億円を銀行から借りて陸山会に貸付している。会計的には4億円の仮受金を定期預金4億円で返済したことになる。

問題をややこしくしたのは、4億円の銀行借入をおこなった者(小沢氏)と担保資産を保有する者(陸山会)が異なった点だったと思う。細野氏の言うとおり、定期預金によって小沢氏からの仮受金の精算を行ったとみることもできるし、逆に担保提供している定期預金が陸山会に帰属する資産であることを理由に、小沢氏名義での借入を実質的に陸山会に帰属する負債と擬制することも一案だろう。

いずれにしても、銀行は陸山会と小沢氏個人が実質的に同一として融資している実態があるのに、政治資金報告書を陸山会単体でつくらせる所がナンセンスなのだと思う。


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