2011年1月5日水曜日

影響力の武器 実践編 「イエス!」を引き出す50の秘訣

サブタイトルのとおり、「イエス」を引き出すためのノウハウ集。事例とともに心理学的な側面からの解説を行っており、サクサクと読める。「影響力の武器 第二版」の続編の位置づけであるが、実践編だけをでも特に理解に問題はない。

一対一でおこなう交渉、説得や要請というのは、個別対応による影響が大きいと思っていたので、一般的に有効なノウハウがあることが興味深かった。特に一貫性の原理(一貫していたい、一貫していると見てもらいたいという欲求)はナルホドと思った。

本書では一貫性の原理の例として「気に入らない相手に何かを頼むことで、相手はより好意的に自分を見るようになる」があった。これは人は自分の行動と考え方の一貫性を保とうとするから、好意を持つ人へ親切にするのと同様に、親切な行動をとればその人に好意を持つようになるとのこと。ちょっとした工夫が大きな成果を生むところが面白い。

また、読後に改めて思ったが、流行のビジネスも「影響力の武器」を利用しているように思う。
たとえばグルーポンでは以下のような工夫が見て取れる。

1、社会的証明の原理
共同購入を成立させるためユーザーがSNSを使った拡散を行うように誘導している。SNSを通じた購入要請は「社会的証明の原理」(人は迷ったときに周りに目を向けて他人の行動を手本にする。ここで証言する人が聞き手と似ていれば似ているほど説得力が増す。)による効果が見込まれる。

2、希少性の原理
共同購入の募集時間を限定することで、希少性の原理(手に入りにくくなるとその機会がより貴重なものに思えてくる)を利用している。

ただ、2は類似サービスを行っている他業者と基本的に差はないし、1も例えば拡散を行ううえでのキーマンが他のサービスに乗り換える可能性があるわけだから、差別化がなかなか難しいようにも思える。ホリエモンが半額東京と組んでるみたいに拡散する上でのキーマンとグルーポンサービス会社が組むとか、アフィリエイトみたいなものを導入するとかだろうか。







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