2011年4月27日水曜日

ホリエモン上告棄却

ホリエモンの上告棄却が決まった。夕方やっていた記者会見を観たが、世の中は不条理に満ちていると達観する姿が印象的だった。
堀江貴文氏緊急記者会見 主催:自由報道協会

問題となった投資事業組合が行ったライブドア株売却益は、ホリエモンのブログでも触れている通り会計上議論があるところだと思う。

投資事業組合を連結範囲に含めるかどうかの論点では、業務執行社員が出資者と緊密な者に該当するかどうかがキーとなる。緊密な者というのは”自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者”が定義である。実務上は状況を個別に判断することになる。

実際に上場企業の決算をやっていれば常識の話だが、決算では見積や判断の影響が非常に大きい。また、会計基準は全てを細々と規定したものでなく、会計基準を実際に決算で運用するためには、それぞれのルールを補完する社内ポリシーを整備する必要がある。ライブドアの自己株式売却益の論点は、少なくとも当時の会計上は十分グレーな領域で、連結範囲に含めないからといって明らかに粉飾と言えるレベルなのだろうか?

今後、会計基準は複雑さを増すなかで、粉飾かどうかの認定を検察が行うのは無理だと思う。また、その弁護を弁護士主導で行うのも難しいと思う。会計士が経済事件の究明に積極的に関与する仕組みが必要だ。また、会計士業界でもセカンドオピニオンを積極的にだして、ある事象に対して常に唯一無二のあるべき処理が存在するのではないことを世間の常識にすべきだと思う。

今回の実刑判決はどう考えても不条理で気の毒な話だと思う。今の社会構造はそうすぐに変わりそうにもないので、早くシャバに戻ってバリバリやって欲しい。

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